約一年前の、
≪どなた様も後悔なしの航海へ!!搭乗者1,000名大募集!!≫
という広告につられ、
私は今晴海埠頭に立っている。
(°。°。°という設定で主人公が夢を語る°。゜。°。°)
色々あった私の人生だった。
順風満帆ではなかったが波乱万丈と言うほどでもなかったしな。
まあ、過ぎてしまえば平々凡々そのものだったかもしれないな。
ここに至れば、誰でもこれまでの自分を振り返ってしまう。
そんな同じ思いの高齢者たちで溢れかえる”搭乗者様控室”に
向かって歩いている。
さっぱりと、身辺整理を終え、身の回りの荷物は既に送り、
今目にしているこの船の中で私を待っている筈だ。
一人100キロまでは無料だったのだが、
自分にはそんな大荷物は幸いにして無く、
100キロから自分の荷物の総重量を差し引いた分の
クーポン券を手に入れた。これは船の中で有効に使える。
いよいよこれから乗り込むのだな。。
目の前に停泊している大型豪華客船を眺めながら、
そのデカさに言葉を失い、圧倒されていた。
花曇りの空を背景に、堂々とした真っ白な大船舶が、
小さな自分を受け入れてくれている安心感が芽生えるのを感じてワクワクして来るのだった。
つづく
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