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その
煌煌と堂々と宣伝している看板の電気は、

とうとう最後まで消えることはなかった。


店のお客様の中に、その看板の企業に勤める方がいた。

その彼に私は、
隅田川花火に行って来た、と話を始める。

中止だったら返金されない会場費を墨田区に前以て支払った話や、
花火はどんなにきれいだったか、人混みはどうだったとか、
当たり障りのない話が一通り済んでから、、

花火がより鮮やかに見えるように辺りの看板が消えた話を始めた。

「看板が点いたままじゃあ、邪魔になりますよね、本当に。」と同調する彼。

「本当ですね。。皆の心遣い、流石でした。。ところで、
私のちょうど真横にあったビルの屋上に大きな看板が、、ありましてね…」

フムフムと聞いてくれている彼。

「それが、ナント、、ずーっとですよ。
煌煌と点いたままだったんです。最後まで!」と言うと、

「それは、、いけませんね。」首を縦に振りながら遠慮がちに答える彼。

「言わせて頂くと、、ホントに消して欲しかったんですょ…。
もし消してくれたら、返ってその会社の良い宣伝になりますよね。。」

とダメ押しをする。

彼はウンウンと頷き、話を聞いている。

ここでトーンを下げておもむろに…

「…それには、、、確か、、ビー・オ―・オー・ケー?と、、」

世界的に著名な「BOOK(株)」←仮名
に勤める彼はハッと我に返り、

慌てて立ち上がり、

「申し訳ありませんでしたっ!!」と頭を下げるのであった。

まあ、笑い話である。

 …しかし、もし私がそのパイプ椅子会場の責任者だったら
そのマンションに行って管理人に掛け合った…かと。

という岡目八目談。


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タクシーの中、仕事帰りの夜遅い時間だった。
自然と涙が流れていた。

私は何もしてやれないと思うと心から辛かった。


遡ること一年前、
まだ私の飼っている犬が元気だった頃、
毎日の様に散歩する遊歩道があった。

川を暗きょにした、犬の散歩には持って来いの土の道だった。
木々が豊かに茂り、春が来れば桜並木となった。

その遊歩道に並行して車道が通り、もう一方の側は住宅が連なっている。

同じように犬を連れた人と顔見知りになるが、
お互いほとんど名前を知らない。
犬の名を尋ねては、〇〇ちゃんの、〇〇クンのママなどと呼び合っていた。

ある日
サクラちゃんのママが私に訴える様に言う。

「あそこの犬、飼い殺しよ。大きくなってから散歩させないのよ。」

見ると、簡易門扉のすきまからこっちを見ているコリー犬がいる。
心なしか羨ましそうに見ている。

気になった私は帰りに近くまで行ってみた。
するとコリーは人懐っこそうに尻尾を振って近付いて来た。
大人しいイイ子だった。毛玉だらけの汚れた体で、ヨダレを垂らしていた。

よく見ると、狭く緑のない乾いた土の庭には、
大きな糞や抜けた毛の固まりが散乱していた。何日も始末していないようだった。
洗面器の飲み水にはゴミが浮いている。 

サクラちゃんのママが、子供が同級生だから知っているのだと
言っていたが、本当だな。かわいそうにと思った。

又その夜7時頃、家からパンとチーズを持って行ってみると、
ワォーンワォーンと鳴く声が聞こえて来た。

コリーちゃん(仮名)の声だった。

灯りの点いたサッシの窓に、後ろ足で立ち上がり、
前足を掛けて吠え続けているが、誰も相手にしないのだ。

そっと近寄ると、直ぐに気付いてこっちへ来た。 
手早くパンとチーズをやると、ぺロりと食べてしまった。

私はまるで泥棒のようにコッソリと近付き、素早く逃げて来た。

その日から毎日会いに行ったのである。
知った以上、ほっとけなかった。


つづく


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