私の
例えば、日頃よく使っていて周りに受けていたオリジナルのフレーズが、
ある時そのままそっくり、CMのキャッチフレーズに使われたことがある。
もうあまりに昔過ぎて、何のCMだったか記憶にないが、そのフレーズは
「似てるってことは、違うってことなのね」だ。
口調やアクセント(る・う・を強調する)までそっくり同じだったから間違いない。
私の周りの誰かから広告代理店に伝わったと思っている。
もう一つ。
ある時タクシー乗り場でひとりタクシーを待っていると、5、6人の若いサラリーマンの
集団がやって来た。私も彼らと同じくらいの年代だったと思う。
皆ほろ酔いだったこともあり、こっちは一人だし、話しかけ易さ満載だったことだろう。
その内の一人が、私の腕時計に気が付いて、「あ、いい時計してますねー。」と言った。
わたしは、「セイコーカルチェよ。」と自慢気に見せた。
もちろんそんなものはない。買ったばかりのセイコーの文字盤が黒い
小ぶりの四角いものだった。
からかい半分に話しかけられたと思ったので、こちらも軽い冗談のつもりだった。
セイコーの時計に、あのカルチェを合わせたぐらいオシャレなデザインで、
どれほど気に入っているかを、カジュアルに表現したまでだった。
すると、意外なことに彼は真面目な態度で「僕らはセイコー社に勤めている者です。
もう少しお話を聞かせて下さい。」と言うのだ。
それならと、このデザインが気に入っていること、おしゃれな感じはああでこうで…。
相手はうんうんと頷きながら、タクシーがやって来るまで話をきちんと聞いていた。
他の人たちも静かに耳を傾けているようだった。
それから半年ほど経っただろうか、セイコー社から新製品が発売された。
その名は…セイコードルチェ。
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