昨年マカオに旅をした。
ロンドンに行き来した際のマイレージが貯まり、早く使わないと無効になるからである。
マカオの情緒を訪ねたのではない。カジノに行ってみたかった。
ラスベガスに行った事があるが、マカオが収益でラスベガスを抜いたと耳にしたので、
興味を持った。遠いラスベガスでなくてもマカオを気に入れば、ちょくちょく(2年に1回)
行ける距離だから、先ずは確かめてみようと試みた。
で、行って来た。香港からターボジェットという高速船に乗り、約一時間で到着した。
カジノは、小奇麗なグランドリスボア、広く高級感溢れるウィン、巨大なベネチアンを回って
主にスロットをした。ルーレットが少なかった。代わりに中国人が好きなのだろう、
「大小」というテーブルゲームが大流行りだった。
元々博才はないので、あらかじめ予算を決めておいて、全部使い切るのがわたしのスタイル(仕方なく)だ。
たいそうなホテル群が目を引くのだが、やはり本場には負ける感じだ。
ホテルウィンの噴水は工事中で見れなかったが、ラスベガスのホテルベラージオと比べてはいけない。
それより何より驚いたことがあった。大勢の売春婦たちをまとめて目にしたことだ。
男なら見たり聞いたりする機会もあることだろうが、女の私は小説や映画などでしか知らない。
他には、オランダの「飾り窓の女」とか、別室にひな壇のように並んだ女たちを、マジックミラーの
こちらから品定めする、といった情報が耳に入る程度の知識であり、
多くの女性は、一生知らずに終わる世界である。
ところが、私がホテル内で迷って地下に行ったところ、大勢の女たちが双方向に
歩き回っていたのが目に飛び込んできた。
瞬間、ギョッとしたのが、正直な気持ちだ。
そこは非常に明るく、内側が壁で、円形の狭い通路になっている。片側には土産物屋が並んでいる。
逃げ場はない。
さっき階段を下りた時、廊下の壁に大きな水槽が埋め込まれており、立派な熱帯魚が回遊していたが、
誰も見物していなかった。
彼女たちの服装は、全員形だけが統一されている、肩ひものないカラフルなドレス(超ミニ、体形バッチリ)で、
スタイルに問題のある人は一人もいない。年のころは20代から30代だろうか、若い。
廊下が曲線のため、見通しが良い訳ではなく、返ってそれが次々と現れる感を演出している。
いくら腹の据わっているわたしでも、その異様な光景に圧倒され、少々慌てた。
上りの階段をソッコー見つけると、最後に目にしたのは、土産物屋の店先の椅子に斜めに
(身の半分は土産物にも興味あるよ的に)座り、じーっと目をそらさず選んでいるオッサンたちであった。。
彼女たちは、「回遊魚」と呼ばれているらしい。
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